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2017.01.10 Nicogi

「Nicogi」が高音質衛星デジタル音楽放送「ミュージックバード」で紹介された放送分をYouTubeにアップしました。


オーディオ評論家・ラジオディレクターの鈴木裕さんの番組「オーディオって音楽だ!」(http://musicbird.jp/programs/audio2/)でFundamental代表鈴木哲が招かれ、楽曲紹介とともにアルバムコンセプト・楽曲・演奏・録音秘話などを語っています。

・Nicogi「s・o・r・a」を聴く
「オーディオって音楽だ!」第170回(2015年10月1日放送分)
 ゲスト:鈴木哲
YouTube動画はこちら

・Nicogi「ヨアケマエ」を聴く
「オーディオって音楽だ!」第234回(2016年12月22日放送分)
 ゲスト:鈴木哲 中村辰也
YouTube動画はこちら
musicbird


2016.02.26 Nicogi 中村 辰也

ミックスダウンの今昔

この2週間ほどミックスダウンという作業の為、自宅にカンヅメになっていました。
そんなこともあり、今回はミックスダウンの今昔についてちょっと書きたいと思います。

ミックスダウンという作業は、個別に録音された音源を混ぜ合わせ最終的なステレオ音源を制作する作業です。
各楽器の定位を工夫したり、リバーブを付加したりして全体のバランスや帯域を整えていきます。

現在のCD(もしくはダウンロードファイル)ができ上がるプロセスは以下の通りです。
(1)リズム録り
(2)楽器ダビング
(3)歌入れ
(4)ミックスダウン
(5)マスタリング
例外的に(1)~(3)が同時に行われたり(よく言う一発録り)、(1)~(4)が同時だったり(過去のダイレクトカッティングなど)ということもあります。

通常(1)~(4)はレコーディングスタジオで、(5)はマスタリングスタジオで作業されることになります。
しかし現在では必ずしもスタジオではなく、色々な場所で作業できるようになってきました。
パソコンを使ったデジタルレコーディングシステムの進化のおかげです。

結果として、エンジニアが自宅で単独でミックスダウンを行うことが増えています。
もちろん最終的な確認はレコーディングスタジオに関係者(プロデューサー、アーティスト、ディレクター、アレンジャー、エンジニアなど)が集まって行います。
効率が良く昨今の環境に合った制作方法と言えるでしょう。

私たちエンジニアは録音されている各音源の意味や役割などをひも解きながら、その作品が最高の形になるようにバランスを整えていくのですが、部屋に籠ってひとりで作業していると時としては間違いが起きます。

例えば、録音されている各音源は全く同じでも、バランスのとり方によってはアメリカのカントリーを目指していたのにイギリスのロックになってしまったり・・・というような。
事前に打ち合わせをしていてもです。
こうなった場合は、最終確認時に修正するのは難しく、修正できたとしてもその作品は中途半端なものになりがちです。
この方法だとエンジニアが気の済むまでバランスを吟味できたり試したいことは全て試すことができるといったよいところはありますが、自己満足で終わらないよう気を付けないといけません。

昔は、このような事は起きませんでした。
それは、関係者が一同にスタジオに集まり、皆でミックスダウンを行っていたからです。
ミキシングコンソールにはコンピューターが搭載されておらず全てが手動という環境でした。
1曲の中で、エンジニアは楽器のバランスを細かく調整し、アシスタントはリバーブの量を変え、ディレクターは歌のレベルを調整し、プロデューサーは全体を確認しつつフェードアウトをする。
当然ながら、ひとりが失敗したらもう一度最初からやり直しということになりますが、この場に於いては作品の方向性などの間違いは生まれることはなく、そこにいる皆がひとつの完成形を目指し作業することができましたし、うまくいった時のプレイバックを聴くのが楽しみでもありました。

Nicogiの1stアルバムはFundamentalの社屋で録音およびミックスを行いましたが、それは昔ながらのよいところを基本にし、現代システムを活用したシステムで取り組むという、私たちならではの方法で最善最高の音楽を収録したいという思いがあったからです。

いつの時代もテクノロジーは進化していきますし、新しい物の方が優れている部分は沢山ありますが、それに溺れないように気を付けてしっかりと作品制作に携わっていきたいものです。

Nicogiの2nd.アルバムは、1st.より1mmでも進化したものをお届けできるよう、レコーディング準備をすでに始めています。
ご期待ください。
20160226


2016.02.08 Nicogi 中村 辰也

あらゆる環境で活躍できる「MA10」

20160130
1月30日の御茶ノ水でのイベントに足を運んでいただいた方々に於かれましては本当にありがとうございました。
約3時間という長丁場でしたが新作アンプ「MA10」を使用しての、CD試聴からNicogiライブ まで、スタッフ側の私も大変楽しいひとときでした。

私は主に Nicogiライブ のサウンドエンジニアとしてそこに居た訳ですが、これまで以上に「MA10」の凄さを実感できましたので今回はその辺の事を書こうと思います。

まず会場のアイリーンホールですが広さもそこそこあり音の響きも良いホールでした。
過去何度かライブを行っている新富町 on and on よりは広い空間で、来て下さった方々に満遍なく楽しんでもらう為にはいつも以上にSRが重要だと考えました。

ここで、SRとは "Sound Reinforcement"(音響補正、音響補力)の略で、みなさん良くご存知の PA "Public Address"(公衆伝達)よりもさらに音質や芸術性を高めた状態で音を届けるという意味です。
Nicogiの場合は特に SR という表現を使いたいと思います。

私が Nicogi の SR を行う時に一番重要としているのは SR システムの存在を消してしまうという事です。
SR システムから音が出ていることを感じさせず 2人のプレーするギターのみから音が発せられ、Nicogi の音世界が構築されるような空間を創り出すことです。
20160130
そうした場合、あくまでもギターから出る生音をメインと考え SR システムからの音は補足として生音に足していきます。必要なリバーブ成分なども同様です。

しかし、今回はホールの空間がある程度大きかった為 SR システムから出す音の割合が当然ながら大きくなりました。

当日使用した SR 用のアンプは、遂に完成した Fundamental 「MA10」です。

初めて SR 用としてシビアに使用しましたが、正直その性能に度肝を抜かれました。
入力された音が増幅され、そのまま出力されるというアンプの基本性能の高さでした。
静特性だけでなく動特性、音の立ち上がり、減衰などすべて素晴らしかったです。

CD の試聴では判らない部分が如実に手に取るように確認できました。

生の楽器と SR システムの音を足していくということは音の立ち上がり、減衰そしてニュアンスなどが生音と寸分違わず再現されなくてはなりません。
それがうまくいかないと演奏者がいくらシャープな演奏をしてもリスニングポイントではダルに聴こえてしまいます。
「MA10」は SRアンプとして使用してもネガティブな部分は全くありませんでした。

音決めとリハーサルには、いつも以上に時間がかかると思っていたのですが、ところがすんなりいつもより早く音も決まり全くストレスがなかったです。

今回改めて思いましたが、一般のリスニングルーム、レコーディングスタジオそして SR 現場どこでも使えるアンプ Fundamental 「MA10」はホント凄い奴です。
20160130


2016.01.27 Nicogi 中村 辰也

「MA10」スタジオに導入しました!

レコーディングスタジオは文字通り録音を行う場所です。
もう一つ考えるとするならば機器が試される場所でもあります。
それは皆さんの想像を大きく超える過酷さです。

音圧、ハイファイ度、SN比、耐久性など試される項目はキリがありません。
しかも時として非常にハードに扱われる事もあります。

そんな環境で、良い性能を安定し維持していける機器だけが残り、私たちプロの間で永く使われるスタンダードな機器になっていくのです。
この事実は、機器を作り出す方々にとってはとてもハードルが高いことだと思います。
そして、スタジオと一般のリスニングルームのどちらにも使える性能を持った機器の開発はさらに難しいでしょう。

さて、Fundamentalから昨年末に、リファレンスメインアンプ MA10」が発表、発売されましたが、このアンプは、スタジオから一般リスニングルームまで使用できるすごいアンプだと思います。

スタジオで制作された現場の音が、皆さんのリスニングルームで同じアンプで同じように再生できることなど、少し前の時代にはあり得ませんでしたが、これはそれを実現できるアンプです。
とてもすばらしいことです。

この「MA10」が、私がメインで作業するスタジオに導入されました。
MA10導入-1

スタジオのリファレンスは、スピーカーがご存知 Fundamental 「RM10」で、アンプは SOULNOTE 「ma1.0」でした。

私はこの組み合わせで数々の仕事をこなし、私の体の一部と言ってもいい位、とても活躍してくれました。

今回、アンプが Fundamental 「MA10」になったのです。
モニター環境は Fundamental で見事コンプリートですね!
MA10導入-2

待ち望んでいた「MA10」導入により、音圧感が増し、帯域は格段に拡がり、スタジオでの作業がこれまで以上に楽しくなりそうです。
もちろんすぐに私の体の一部になってくれるでしょう!

今後、リファレンスとなった「MA10」にとってイバラの道が待ち受けています。
この過酷な音楽製作現場の最前線に投入され、持っている性能の全てを出し続けなければいけないのですから。

しかし、そこから創り出される音楽はすばらしい作品になると確信しています。
そしてこの「MA10」がスタジオだけではなくあらゆる場所ですばらしい音楽を奏でてくれることを。
そして多くの人が笑顔になってくれることを。

今週末に試聴会が都内でありますので、興味がある方はこの「MA10」を体感しに足をお運びください。
スタジオでの使用等の相談も承ります。気軽にお声がけください。

Fundamental新製品「MA10」試聴会& Nicogiミニライブ

詳細はこちらでご確認ください。
http://www.audiounion.jp/ct/news/article/1000005953/


2016.01.20 Nicogi 中村 辰也

エンジニアの戯言

私は買い物をする際、出来るだけインターネットではなくお店に出向いて目的の物を購入するようにしています。

その理由は、そのお店でしか得られない情報がもらえたり、お店の人のガンバリ具合が確認できたり、時には色々教わったりして自分がちょっと成長できたりするからなんです。

さて、この前近所の専門店に割とマニアックな物を買いに出向きました。
初めてのお店でしたので、店に着いたらとりあえず店内を一周し、それから散々探しましたが目当ての物を見つける事はできませんでした。
そんな訳で店員さん(たぶんアルバイトの若者で、一人でレジにいました)にその旨を説明し、待つこと3分ほど。

店員「ありません。」
私 「私も散々探したけれど見つからなかったんですよ。」
店員「そうですか。そしたらこの店にはないです。」

この店に買いたい物が無いのは店を一周した時点でなんとなく解ったし彼に声をかけた意味は 「ではどうしたら手に入れられるのか」とか「もし生産完了品ならば中古品を探すしかない」とか「この店には無いけど違う店にはあるかも」とか 、そういう会話がしたかったのですが。

彼は、私が声をかけた意味を全く理解してはいなかったようで、私は気分良く店を後にすることは出来ませんでした。

このようなことがあると、「インターネットに勝てるわけないな!」なんて思ったり、「街の専門店の意味ってなんだろう?」と考えたりしてしまいます。

そんな折、こんなニュースを知りました。

奈良市では、CD小売店がすべて無くなったそうです。
辛うじて残っていた最後のお店が残念ながら閉店してしまったようです。

奈良市といえば人口約36万人の都市で、関東だと埼玉県の川越市とか所沢市と同じぐらいの規模です。
こんな都市なのに街のCD屋さんが一軒も無くなってしまうなんてとてもショックを受けました。

私の学生時代を思い出すと、地元のCD屋さんに出向き目当てのCDを持ってレジに行くと
店主が他のCDを薦めてくれたりして(これがまた私の嗜好にバッチリ合っていた)楽しく話が弾んだりし、次回そのお店にいくのが楽しみにもなりました。

音楽に携わる仕事をしている私として、このような機会が減ってしまうのはとても寂しい思いがします。

しかしながら、嘆いてばかりもいられません。
CD小売店が復活したくなるような楽曲を作りだしましょう!

ここで、ファンダメンタル&Nicogi のイベント告知です。

Fundamental新製品「MA10」試聴会& Nicogiミニライブ

皆さん是非いらして下さいませ。
詳細はこちらでご確認ください。
http://www.audiounion.jp/ct/news/article/1000005953/


2016.01.13 Nicogi 中村 辰也

Nicogiスタイルとは・・・

皆さん、こんにちは。

Nicogiは皆さんご存知のように2本のアコースティックギターが織り成す音世界を表現しています。

今回はその辺のことについてです。

まずは哲さんと純示さんのギターについてですが、それぞれ音のキャラクターが違っていまして、それが絡み合って一つのサウンドを創り出しています。

哲さんのギターはギルド(Guild)製のものです。
一般的な特徴は、音は大きく重厚で温かいと言われています。
そして良い感じに枯れています。

純示さんのギターはマーチン(Martin)製です。
こちらはとても繊細で煌びやか、そして瑞々しい音色を奏でてくれます。

それぞれのギターの特徴はこんな感じですが、Nicogiの場合はそれにプラスして弦やピックの選定、それぞれの弾き方、弾くポジションなど色々吟味してオリジナルな音を目指しています。

Nicogiとして活動を始めてからまず考えたのが「如何にしてオリジナリティを出していくか」という事でした。

チームNicogiで楽曲作り・アレンジ・演奏およびディスカッションをくり返し、Nicogiスタイルとは・・・を模索しました。
通常のメロ+バッキングではなく、二人の奏でた音のハーモニーが融合し、時に1本に聴こえたり、3~4本に聴こえたりする、音の向こう側にかならず何かしらの映像(背景)が浮かぶような、リスナーの想像力をかきたてるようなものを目指そうということでした。

アコースティックギターは演奏者が自分の音を体で感じる部分も含め、客席でのアンサンブル(音の混ざり具合やバランス)は、分かりづらいものです。
そのため、お客さんのポジションでどのように聴こえるかを客観的に判断して、アレンジや奏法にフィードバックすることもプロデューサーとしての私の仕事でもありました。

さてここで告知があります。
来る1/30にお茶の水のオーディオユニオンさんディスクユニオンさんとファンダメンタルのコラボイベントが決定しました。
皆さん是非いらして下さいませ。
詳細はこちらでご確認ください。
http://www.audiounion.jp/ct/news/article/1000005953/


2016.01.05 Nicogi 中村 辰也

あけましておめでとうございます

新しい年を迎えました。
今年もチームNicogiをよろしくお願いします。

Nicogiは昨年暮れにライブを2本ほど行いなかなか良い年末だったのではないかと思っています。

ライブは一期一会とよく言われますね。

私はレコーディングエンジニアですので、日々スタジオに籠り作業をしている訳です。
その音がリスナーに届いた時どんな表情で聴いてくれているのか?
体を動かしながら気持ちよく楽しんでもらえているのか?
なかなか目にすることはありません。

Nicogiのライブでは、その場に来てくれている人々の表情や感情を実感することができます。
楽しんでくれているだろうか?
満足してもらえているのか?
などなど、その場にいると心配になることも多々ありますが。

レコーディングはとても緻密に創り込んで最良の形に仕上げていきます。
それがリスナーに届きます。

ライブは一発勝負的な部分もあります。
時には失敗することもありますね。
しかし、それはレコーディングにはないライブならではの出来事です。
その日のライブは2度と戻ってきません。
まさに一期一会です。

Nicogiの演奏を、このように違う形でリスナーにお届けできるのは幸せなことで、どちらも楽しんでいただけたら嬉しいです。

レコーディングでは、実際にリスナーの顔が見えないが故に、いろいろ考え最良の落とし所を模索していくのですが、いつも思う事があります。

このアーティストは何を伝えたいのか?
リスナーは何を聴きたいのか?

昔、PAエンジニアと話したことがあります。
私は「仕事の時、一番大切にしていることはなんですか?」と質問しました。
彼は「ライブに来てくれた人、ホールなら2000人ほど、ドームなら50000人ほどの全てが笑顔で帰路に着くことかな」と仰っていました。

レコーディングもPAも大事なところは同じだなと思ったものでした。

聴いてくれる人あっての音楽。
驕らず、押し付けず、皆さんが笑顔になってくれるよう、今年も日々精進です。


2015.12.28 Nicogi 中村 辰也

音楽も歳をとる?

皆さんこんにちは。
前回までは「道化師」について説明した訳ですが、今回は少々違うことを書こうと思います。

今年もあと僅かになり、また歳をとってしまうななどと思いますが、時間だけは誰にも平等なのだと納得しているこの頃です。

さて色々な音楽を聴いていますと、特にエンジニア的な部分が気になる訳ですが、明らかに古さを感じる作品とそうでもないものがあります。
これは録音された年代に起因するものではありません。
古い時代の録音でもその音楽は古さを感じさせない物は沢山ありますし、それほど古い時代の録音ではなくても、その音楽はとても古い感じがしてしまう物もあります。
この事は皆さんも少なからず感じたことがあるのではないでしょうか。

そのことを私なりに考えてみました。

あくまでも私感ですので、他にいろいろな意見があると思いますがご容赦くださいませ。

私の中では特に古さを感じてしまうのが80年代のポップスなんです。
この時代はシンセサイザー(以下、シンセと呼びます)が、世に出てからしばらく経ち機能も充実してきた時代でした。
シンセをリリースするメーカーも沢山ありました。

当時、私はレコーディングスタジオのアシスタントとして某スタジオで働いていました。
その頃はレコーディングはスタジオで行うもので(現在はその限りではなくレコーディングスタジオ以外で録音されることも多いのです。例えば編曲家の作業場など)来る日も来る日も朝方まで働いたものでした。

そして、何らかの形でシンセが使用されシンセをスタジオで見ない日はありませんでした。(シンセ常設スタジオなんてのもあったんですよ)

これだけ一世を風靡したシンセですが、現在ではコンピューターに移ってしまい(ソフトシンセなどと呼んでますが)今ではスタンドアローンのシンセはほとんど見なくなってしまいました。

そう、こういうことなんです。
シンセサイザーが古くなってしまったのです。

80年代に流行ったポップスの多くはシンセの出す音で構築されていました。
ドラム、ベース、ピアノ、ストリングス、ブラスなど、実際に楽器を弾いているのはエレキギターぐらいかなと思ったりします。

当時は最先端と思われていたのですが、時代は変わってしまいました。

もちろん現在でもシンセが使用される事はあります。
しかしそれは最近では主流ではありません。
思うのは、時代のテクノロジーに依存している音楽は、それが古くなってしまえばその音楽も古くなってしまうものだなということです。

当時、毎日毎日朝方までそのような音楽をレコーディングしていたことについて今は懐かしさと少々の切なさを感じています。

Nicogiはアコースティックギター2本のみ。
シンセよりも古くから現在まで脈々と弾き続けられています。
古くなることは決してないと思っています。

来年も チームNicogi よろしくお願いします!

最後に言い訳
今回はこんなことを綴ってみましたが本文中にサンプラーについて全く触れられませんでした。サンプラーについてはまたの機会に書こうと思います。


2015.12.22 Nicogi 中村 辰也

レコーディングエンジニアから観た Nicogi 1st アルバム その3

さて前回からの続きです。

ギター演奏のとても大きなダイナミックレンジをどう録音するか。
今回のNicogiのレコーディングはファンダメンタルというオーディオメーカーからの第一弾のCDソフトということもあり、録音された音を後から変えていくという方法は採らずに、ありのままを捉えるということを第一に考えて進めていきました。

通常私が行っているポップスやロックの録音では、録音時やその後のミックス時などあらゆる場面で音を変えていくのです。
例えばイコライザー(注1)やコンプレッサー(注2)、そして最近では音程やタイミングまで自由自在です。(限度はありますが...)

いつもの私なら、イコライザーで低域を少しカットし高域を上げて倍音を引き出し、イントロなどの音が小さい所はレベルを上げレベルの大きいクライマックスはコンプレッサーでピークを抑えつつ、全体の音圧を上げて音像を前に張り出すようにしたと思います。

しかしこのアルバムで狙ったのはリスナーが眼を閉じた時、哲さんと純示さんがそこにいて目の前で演奏しているように聴いてもらえることでした。

ではイコライザーやコンプレッサーを使わずに違う方法で大きなダイナミックレンジをカバーする方法はというと。

それは演奏中、音が小さい時はマイクに近づいてもらい音が大きい時はマイクから離れてもらうというやり方。

はい、演歌歌手の方がよくやっている、歌いだしはマイクが口元にありサビになるとマイクを胸もしくはお腹の前辺りまで下げるあのやり方ですね。

人間の声もとてもダイナミックレンジが大きいのです。
特に演歌の方々は色々な環境で歌わなければならずエンジニアさんがいなかったりするとこの方法は非常に効果的です。
歌手自らミキサーのフェーダーを操作しているようなものですかね。

Nicogiの場合この方法は無理ですね。マイクとの距離が変わるということは音像が近くなったり遠くなったりするのです。
1曲通して聴いてみるとかなり違和感があると思います。

そんな訳で最終的に辿り着いたのがCDに収録されている音なのです。

チームNicogiで、もっと音像を近くにとか音圧を上げたらとか色々ディスカッションし少し険悪になったこともありましたが、ここは譲れないところでした。

録音後の処理としては、最小限の残響を加えていますが2人の演奏がそのまま余すところなく録音されてます。

リスナーの方々の中には、音が小さくて遠くて少々物足りないと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、眼を閉じてギターのそしてNicogiサウンドを楽しんでもらいたいのです。
是非、聴き耳をたてて楽しんでください!

余談ですが、Youtubeにアップされている動画「道化師」の音は若干後処理を施してあります。
インターネットにアップされる動画の音声として、より楽しみやすくするために小さい所を聴き易くしたり、ちょっと派手に聴こえるようにしたり音像も前にもってきたりしています。こちらもあわせてお楽しみくださいませ。

Youtube 「道化師」 by.Nicogi

(注1)音の周波数特性を変える機器。色々な種類のものがあります。簡単に言うと音を硬くしたり甘くしたりするものです。
(注2) 主に音の大きいところを抑えて全体的にレベルを均一化することができます。対象の音の音圧を上げたり存在感を増すなど効果絶大だが、使い方を誤ると演奏のダイナミクスを台無しにしてしまうこともあります。使い方には結構ノウハウが必要です。

Nicogi次回ライブは
20151226


2015.12.16 Nicogi 中村 辰也

レコーディングエンジニアから観た Nicogi 1st アルバム その2

こんにちは。前回は「s・o・r・a」のレコーディングの技術的な概要を少し説明しました。
CDを聴いてくださる方々にはあまり興味のある事柄ではなかったかもしれませんがお許しくださいませ。

さて今回は「s・o・r・a」に収録されている「道化師」について説明していきましょう。
録音の方法としてはワンポイントステレオ録音です。

今回のアルバムは基本的にはすべてこのワンポイントステレオ録音を採用しています。
マイク2本をそれぞれ、左チャンネル用、右チャンネル用としそのままステレオで録音する方法です。
クラシック録音などによく採用される録音方法ですね。

基本的にマイクは2本のみですし、その分ヘッドアンプ(前回注1)も2チャンネル分のみとシステム的にはとてもシンプルです。
だからこそ、マイクのセッティングがとてもシビアになります。

そして演奏もです!!
この曲は純示さんの心地よいリフから始まり、それから哲さんのソロ、そして2人のストロークによるクライマックスを迎えます。

この曲の一番の苦労は、曲の始めとクライマックスのレベル差がとても大きいことでした。
これについては、レコーディング中、私たちが夜中コーヒー片手に議論したことでもあるのですが詳細はまた次回です。

本日もリハーサルです。12/26 に向けて!
nicogi 20151226


2015.12.09 Nicogi 中村 辰也

レコーディングエンジニアから観た Nicogi 1st アルバム その1

皆さんこんにちは! エンジニア中村です。 今回は、前回お伝えしたように Nicogi 1st アルバム 「s・o・r・a」に収録されている曲をエンジニア的な観点から説明してみたいと思います。

曲毎の説明の前にこのアルバム全体ですが、2本のアコースティックギターが全てです。
レコーディングエンジニアにとってアコギってのはそこそこ難易度の高い楽器の一つなんですよ。

ダイナミックレンジが大きく、ピークも強い。そしてレンジも広い。

今回のアルバムのレコーディングではこの特徴を余すことなく記録することに最大限の努力をしています。

録音機材と録音システムを吟味し、部屋のルームアコースティックを整える。そしてエンジニア的にはマイクセッティングを考えヘッドアンプ(注1)の設定を決め、そしてデジタルレコーダーに録音するレベル(注2)を決める。

一つ一つに細かくノウハウがあるのですが、毎回同じという訳にもいきませんでしたね。

あと、一番大切だと思うことは....
アコースティックギターという楽器は箱が鳴る楽器でそれを人間が抱えて演奏しますね。実際、演奏者は鳴っている音を聴いていると同時に、箱鳴りを体に感じて演奏しているということなんです。私が携わっている他の録音現場でも時々あるのですが、楽器が鳴っているままの音が録音できていても演奏者は音が違うと言って納得してくれないということが。今回はそこのところも何度も何度もディスカッションを重ねて気づいたら朝なんてこともしばしばでした。

(注1)マイクの出力レベルを録音機器の標準オペレーションレベルまで増幅するアンプ。録音される音を最初に増幅することになるので性能の良し悪しが録音のクオリティに大きく関与することになります。そして私たちエンジニアはそれぞれのアンプが持っている一番良い音色を出す設定で録音するようにします。ただ単に一定のレベルまで増幅するのではなく、その機材の一番おいしいところを使って録音しているのです。

(注2)またまたレベルのお話ですが今度はデジタルレコーダーに録音するレベルです。言い方を変えると何ビット使うかということになるのですが、今回は24ビットでレコーディングしています。一概にフルビット使えば最高の音色になるのではなく、これまたエンジニア的は按配があるのです。その辺の按配についてはまたの機会に!

今回はここまでです。続きは次回に!

YOUTUBEに新しい動画がアップされてます。

そして今日もリハーサルです!
nicogi


2015.12.02 Nicogi 中村 辰也

皆さん、こんにちは。レコーディングエンジニアの中村辰也です。

11/14 新富町onandon でのライブから暫く時間が経ってしまいましたが、 当日来場していただいた方々、大変ありがとうございました。

新富町onandonで初めてライブを行った日が去年の11/15だったんですね。
ちょうど1年前ですね。
短かったような長かったような、、、、

その間、レコーディング、リハーサル、ライブと中々濃い時間を過ごし、 その甲斐もありNicogiのサウンドもだいぶ固まってきました。

1stアルバム
s・o・r・a

次回ライブ 12/26 at 四谷天窓
20151226

そして今日もリハーサル!
nicogi

次回はレコーディングされた曲のエンジニア的観点からの解説など をアップしたいと思います。


2015.06.22 Nicogi 鈴木 哲

Nicogi 1st CD 最終MIX・マスタリング終了いたしました!

曲ごとのプロデュースを徹底して、演奏からマイクセッティングを含めた録音方式まで吟味した成果が具現化できました。
5曲入りのミニアルバムですが、ストーリーを持った流れも素晴らしく、1曲ごとはもちろん、1枚通して聴いていただきたい仕上がりです。
リリースは7月中旬を予定しています。お楽しみに!

1 2

2015.06.01 Nicogi 鈴木 哲

Nicogi 1st CD 全5曲レコーディング終了いたしました!

2月のレコーディングスタートから3か月、途中、やむを得ない中断もありましたが、何とかたどり着くことができました。
山あり谷あり、そして大海溝?ありのシンドイレコーディングでしたが、チームNicogiとして現時点での最善は尽くせたと思います。
曲ごとにマイクアレンジの最適を探り、そのマイクアレンジに最適な演奏ニュアンスや、ダイナミクスを探り、時として曲のアレンジにも手を入れ、ともかくこれ以上できない限界値をもとめて突き進みました!
この後、mix、マスタリング、プレスと行程はありますが、成果を一日も早く皆様にお届けできるようガンバリますので、もう少しお待ちくださいね。
また、今回のレコーディングで演奏者としてスキルアップした成果を、今後のLIVEでもご確認いただけたらと思います。
ご支援ありがとうございました。

レコーディング風景1 レコーディング風景2

2015.03.10 Nicogi information

こんなかんじでレコーディングをやっているよという動画をアップしました。
これに使っている曲はある曲の一部を繰り返して流していますが、なんの曲だかわかる方いますでしょうか?
ライブ皆勤賞の方でも難しいかな?
答えは・・・Facebook上で!

動画中に時間も出てきますがその時間はまだまだ序の口で、CD完成に向けていいものを作ろうとメンバー全員一生懸命がんばっております。
これからもNicogiの応援よろしくお願いします!

     

2015.03.02 齊藤 純示

Nicogiレコーディング

生みの苦しみ味わい中。。(笑)
録って聴く度に、音響も演奏もこうしたらもっとイイ。というのが見えてくるので、そこを目指して頑張っております。

Nicogiサウンドらしいと思われる楽曲を録ってるところですが、やり尽くしたと思ってた曲なのに、テンポやピッキングセンスなどなど演奏の仕方もいまさらながら「ここだ!」というのが解ったりして、曲自体もグレードアップしてきてます!
これが正解というお手本がない、ユニークなオリジナルを作ってるんだなぁということを実感しながらやっているところです。
試行錯誤しながら楽曲の完成度を上げていくのは、達成感もありますがやはり大変。
スタジオ借りてたら費用がハンパないことになってます(笑)

終わったあとは疲労困憊。σ(^-^;
それだけ集中してるということ。
弦やピックも同じものでも1つずつの質の違いが判るくらいの過敏さ。
哲さんは3回、僕は2回弦を替えました。弦代が重みますね~。(笑)

出来上がったものを聴く人は、もちろん普通に楽しんでもらえたらいいと思ってますが、アコースティックギターデュオで普通に楽しめるものを完成させる難しさを実感してるとこです。

レコーディング風景1 レコーディング風景2 レコーディング風景3

2015.03.01 中村 辰也

レコーディングSTART!

いよいよ Nicogi レコーディング始まりました。

初心に立ち返り余計なことは一切せず演奏のポテンシャルを余すことなく刻み込む作業です。
もちろんのこと使用機材の性能も余すことなく使い切るよう注意深く機材をコントロールしていく事になります。
目指す処は機材その他云々の存在を消してしまうこと。
リスナーの方々に唯々心地よくNicogiサウンドを楽しんで頂く為に!

まだ始まったばかりです。乞うご期待です!!

チームNicogi 中村辰也